「私、とうとうバイト始めたんですよ!」 教室に入る手前でそんな声が聞こえて、扉を開けようとしていたは傍と止まる。 今の声は…自分が受け持っている担任をしている生徒の声だった。 しかし今の発言には、問題がいくつかある。 曲がりなりにもこの学校はそこそこの進学校で、バイトは事情がない限り禁止、なのだ。 ただ学生を経た自分からすれば、学生というのは時間は多少あってもお金がないのも事実。 親からのお小遣いではなかなか賄えないくらい出費が多くなるのも、高校生ならではと言ったところなのも重々承知している。 だから、できる限り家庭の事情という形で学校に許可を出すよう働きかけもしたし、自分の目で判断してこのバイト先ならばと多少目をつぶる事もある。 生活指導の先生方からすればお金で買える付き合いなんて真の友情ではないという意見もわからなくもないが、実際そのやりくりに四苦八苦する姿を見ると、勉学に影響でない程度ならばストレスためずにいんじゃないか、というのが自分の意見。 生徒の性格を把握して彼ら彼女らなら大丈夫だと思えば、帰りの見回りコースがほんの少し増える程度でどうにか収まっていたというのもある。 一番の問題は…今、バイトを始めたという発言だ。 確か彼女の家は由緒正しき家柄云々、という話を聞いている。 いわゆる、ほんのちょっと世間ずれしている感がある生徒、だ。 成績が悪いわけじゃないのにどこか抜けている、よく言えば天然系の彼女。 しかも、バイトを始めた事をわざわざ発言したという事は、彼女の周りにいる友人達の誰も同じバイト先にはいないということで。 これは心配にならざるをえないというか…詳しく聞きだす必要があるというか…。 はぁと深いため息を吐いて、は教室の扉を勢いよく開けた。 教師が入ってきたことで、ばらばらだった生徒が慌てて席に着き始めるのを横目で見ながら、はバイトを始めたと発言した彼女の目の前で歩みを止めた。 「鶴ちゃん、ちょーっと後で職員室来なさいね?」 「えぇぇ!!?私、ちゃんと宿題しましたよ!」 「いや、問題はそこじゃないから…。」 いつものずれた発言にどっと沸く教室に米神を押さえながら、はため息をついた。 こういうところがずれているのだと本人が自覚していないのが、心配の種なのだという事をわかる日は来るんだろうか…。 周りにいる彼女の友人たちは「ちゃん、勘弁してあげてよー」と笑っているが、残念ながら笑える状況ではない。 いいからお昼休みに来なさいともう一度念を押して、は朝のHRを開始した。 ■□■□■□ 職員室の自分の机に腰掛けて、メモをトントンと叩く。 もうすぐ午後一の授業が始まる今、教師達はすでにほとんどが出払っていて、職員室内の人間はまばらだ。 はその一コマがたまたま空いていたから、自分の作業に没頭できたわけなのだが…。 ナリスピー…ね…。 ドーナツ屋さんというのは知ってる。 デパ地下なんかで夕方に行列ができているのを何度か見たことがある。 アニキードーナツとは違って、テナント出店が多いこの店の、近隣では唯一の直営店で彼女はバイトを始めたらしい。 メモにはナリスピーと、その住所などの連絡先のメモが全部書いてある。 何人か他の友人達がバイトをしているアニキーにしてくれればそのまま観察…としていたけれど、まさかナリスピーを選ぶとは…。 ナリスピーの評判はあまりよくない。 いや、商品そのものはすごく評判がいい。 ただ、働く人にとって…特にアルバイトなんかは使い捨てというブラック的な噂が絶えない所だ。 一月単位で人が変わっているなんて話もざらに聞く。 だからこそ、そこにうちの生徒がバイトに入ったとは今まで聞かなかった。 もノーマークにしていたわけなのだけど…。 そこをチョイスするあたりが天然系の彼女たるゆえんというかなんというか…。 「うーん…これは一回様子見に行くべき、なのかな…。」 学生を雇うバイトはそんなに多いわけじゃない。 大体がファストフード店に集中する。 制服の可愛さとか、やはり慣れ親しんだ場所から、生徒側からも選択することも多いし。 そしてこの町は、学生街である事を除いてもそういったファストフード店が多い。 だからこそ客になって下見というか、その店での様子を見に行ったりするけれど…。 明日のおやつはドーナツかとため息をついた。 甘いものは嫌いじゃないけれど、量があるとどうにも入らない。 小さなケーキくらいならいけるけれど、ドーナツほどの量になれば…正直胸焼けを起こさないか心配してしまう。 ドーナツに罪がない事は知っているが、好きか嫌いかといわれると…苦手な部類だ。 かといって、それらを押し付けるために仕事場に差し入れするほど財布の紐がゆるいわけじゃないから、当たり障りない数だけ買ってみようか。 机にあるノートパソコンでインターネットを開くと、ナリスピーと入力してみる。 一番トップに表示された公式サイトに入ってみると、おしゃれなページが一番お勧めのドーナツを薦めてくる。 しまった、午後一で見るべきじゃなかったな…。 甘いものがまったく嫌いなわけじゃないから、食べられる気になってしまう。 どれもこれもおいしそうに見えてしまうから困る…。 「抹茶…おいしそう…。」 他のはなんか砂糖がかかってるのとかで甘そうだけど、これなら食べることができそう…。 よし、これ買おう。 抹茶ならあんまり甘くないイメージだし。 あとはー…と見ていると、職員室に残っていた先生から目ざとく見つけられてしまう。 「これはまたおいしそうですね。」 「……ははは、そうですねー。」 「ですが、職員室で見るページじゃないですよね。」 「はい、すみません。もう閉じます。」 注意を受けて、慌ててページを閉じる。 いけないいけない、口うるさい先輩先生に見つかってしまった。 ついでにPCの電源も落として、脇にあったメモ帳を手に取った。 ナリスピー…クリームドーナツ、の文字を指でなぞって、先程の彼女の言葉を反芻する。 今日のバイトは夕方からさほど遅い時間ではないと言っていた。 ちょうど、自分の仕事が終わった時間に行けば、アルバイトの時間と被らず店の様子が見れていいかもしれない。 注意した先生が遠のくのを確認して、鞄の中にメモ帳を押し込んだ。 ■□■□■□ ヒールの音を鳴らして店の前に立つと、温かみのあるオレンジのライトがガラス越しに店の外に漏れていた。 周辺には甘い香りも漂っている。 辺りを見渡し、そしてガラスの向こうをじっと見つめる。 中で忙しなく働く中に、彼女の姿はない。 バイトと思しき男性が数名。 夜間に入る時間帯だから、これに関してはなんら不思議な事ではない。 バイトに対する評判の悪さにしては、暗い表情どころか、とても明るい表情で働いているのが気になるくらいで。 それ以外は普通のドーナツ屋さんだった。 店頭ののぼりが新商品の到来を告げていて、今日の昼休み過ぎに見た抹茶ドーナツがゆらゆらと揺れている。 外からガラス越しに見えるショーケースの中には、大分数の少なくなったドーナツが綺麗に陳列されていた。 普通に通ったら目に止まる場所にあるそれは、商品の評判どおり、とてもおいしそうに見えた。 なんか、様子見に来ただけなのだけど…ちょっとわくわくしてしまうのは私も女性、だからかもしれない。 肩にかけた鞄を下ろしながら、財布を取り出してから、入り口のガラス戸を押し開けた。 いらっしゃいませーとにこやかに店員が顔を向ける。 ふと横に顔を向けるとイートインコーナーが目に付いて。 ここでも食べられるのなら、少し時間をかけて様子見できるかなと、持ち帰りだった予定をやめて、ここで食べることにした。 残っていた抹茶オールドファッションを二つ、コーヒーを一つ頼んで席に行く。 桜ダージリンと悩みもしたが、なんだか季節物に飛びつきすぎるのもと思ってやめておいた。 コーヒーを一口、その後抹茶のドーナツを一つ。 夕飯がまだの胃にはなかなかのパンチだが、コーヒーの苦さに助けられてどうにか押し流す。 桜ダージリンを頼まなくてよかったと本気で思った。 もぐともう一口入れて、甘さを誤魔化しつつノートとテキストを取り出す。 明日の予習をしておかないと、明日は朝一で進学特クラスの授業が控えている。 夜遅いこともあって、イートインには私の他はカップルが一組と待ち合わせらしき女性が一人。 店員はドーナツも残り少ない事もあってか、箱に詰める作業に入っている。 いたって普通のドーナツ屋さん…よねぇ…。 噂に惑わされたのは私のほうだったんだろうか? 噂が噂を呼んで、学生達が遠のいていたということも考えられるし…。 それならそれでいいんだけど…。 後は彼女の器量というか、ここから先は私が心配することじゃないだろうし…。 まぁ、心配が杞憂ならばそれに越したことはない。 どちらにせよ家には遅くなると連絡を入れたし、もう少しここで粘るかと辺りを見渡した。 抹茶ドーナツ一個でコーヒーを一杯消費してしまった。 もう一杯もらっておこうかと、鞄の中に仕舞った財布を漁っているときだった。 かたりと、自分の目の前の椅子が音を立てた。 私は誰かが通る時にぶつかったのかと思って、気にせずに財布を探し当てようと覗き込む。 ようやく手にして正面を向くと、自分の席の正面に見知らぬ若い男性が座っていた。 年のころは20代、切れ長の目が冷たい印象を与える。 しかもその瞳はこちらをきつく見据えていて、思わずは動きを止めて固まってしまった。 どうやら私に用事があるようなんだけれど、残念ながら彼とは初対面だ。 自分の教師人生の中においても、彼は生徒として担当した事はないと自信を持って言えた。 というか、まったく長くない教師暦だ。 ここ二、三年で送り出した生徒の数なんて高が知れてる。 だったら同級生とか? いや、男性という事がかろうじてわかる中性的な容姿の知人は同級生どころか通りすがりにも心当たりが一切ない。 の記憶の中に彼の情報は一切ないのだが、人違いとか他人の空似と言う割には彼の睨みはなかなかにきついものがあった。 「えっと…何か、用がありますでしょうか?」 恐る恐る声をかけると、更に眉間に皺を寄せ、きっと睨みつけられる。 いやいや、一体なんなのこの人。 本当に訳が分からない。 私まで不機嫌になったら不毛な状態にしかならないことは重々承知しているのだけれど、いわれのない不機嫌をぶつけられるこちらとしてはたまったものではない。 一応冷静さは失わずにきっとこちらも睨むと、彼は上着の内ポケットから名刺を差し出してきた。 机の上に置かれたそれに、一瞬だけ顔を顰めて、顔を近づけてその上にある文字を読む。 「ナリスピークリームドーナツの…代表取締、役…?」 名前の所には毛利元就とある。 え…この人が…? 随分と、年が若い人なのだな、というのがその時一番に思った感想だった。 その名刺と彼の顔を見比べはするが、だからなんなのだというのだろう。 わざわざ取締役が出てきて不機嫌をぶつけるような失礼な事をした覚えは一切ない。 自分の座っているテーブルの上を見渡しても、抹茶のドーナツが一つと空になったカップが一つ。 後はノートとテキストだけど、念のため作業をしてよいか店員に聞いたときは快諾を得ているからそれでもないだろう。 もちろん食べ方だって普通の食べ方だったし、当然お金の受け渡しだって完了している。 睨まれる謂れが一切ないのに、責任者がいきなり出てくる事態には半ば混乱していた。 そこで喧嘩腰で反論しなかったのは、偏に自分が生徒を教える教師という立場だけが支えているものであって、そう言った事を忘れてまで喧嘩する事じゃないと冷静な自分がいたせいだ。 私達の雰囲気を察して、残っていたカップルも女性客も早々に出て行ってしまった。 一体本当になんでこんな目に合わなければならないのか。 「あの…、」 「何の監査かは知らぬが、さっさと身分のわかるものを置いて立ち去るがよい!」 「は?」 もしかして…企業監査の何かと勘違いしてらっしゃる? よく客に紛れて業務監査を行うとか聞いたことはあっても、一般企業で働いた事のないからすれば次元の違う話で。 どこかそれと勘違いするような持込とかしていただろうかと荷物を頭の中で考えてみても、そういったものは一切なかった。 とりあえず誤解を解こうと、は慌てて違うとオーバーリアクションで首を振った。 「違います!ただの客です!身分証明もできますから!」 だんと机の上に保険証を叩きつけて彼の目の前に見せ付けるように差し出した。 初対面の人間に個人情報をさらすのもどうかと思うが、ここまで失礼な態度を取られてしまうと、しっかり誤解を解いた上で謝らせたい一心だった。 保険証には勤め先が記載してある。 これで彼は自分を信じてくれる…、そうは思っていた。 …しかし、この毛利元就さんとやらは、頭が固いのか一向に信じてくれなかった。 保険証を確認したかと思うと、それを投げてよこした上に、鼻で笑ってきたのだ。 「…教育委員会?最近の役所は教員すらも監査に使うようになったのか…、さもしい。」 「ちょっと!職業は教師ですけど、監査とかじゃないですから!」 「ならば、先程から店先から伺うよう見ておったのはいかなる理由ぞ。」 「そ、それは…。」 追求されて、嬉しそうにバイトができるのだと笑っていた鶴ちゃんの顔を思い出す。 このまますべてこいつに話してしまっていいのだろうかと、勢いをそがれてしまった。 私がすべて話したせいで、首になってしまうような事態になれば、あれだけ喜んでいたのだ。 お節介ごめんなさいで済むことじゃない。 私が心配してきたのはあくまで教師としてであって、店側に特別問題ないのならば邪魔をするつもりはない。 そこまで頭の中でうぐるぐると考えてしまうと、どうにも次の言葉に詰まってしまった。 まぁ、店側に問題がなくても一番トップの人間には問題がありまくりだけどね! こんな人間の下ならば、ブラックな噂を流されても仕方ないんじゃないかと思う程度に憤慨するってものでしょ! …といっても、正直に言おうか迷ってしまって、じっと彼の顔を見つめ返す。 半分以上睨んでいるのは自覚しているけれども。 お互いが一歩も譲らずににらみ合いを続ける中、横から声が聞こえたのはそんなときだった。 「元就様、彼女、もしかしたら例のお見合い相手とかでは?」 「は!?それこそまったくの誤解なんですけど!」 こんな人と!? 冗談じゃない! むしろそのお見合い相手がかわいそう! 断固お断りしますと、取締役と声をかけてきた店員に言おうと大きく息を吸い込む。 その勢いを殺すようにかけられた声は、ぎすぎすした雰囲気とは程遠い、よく通る能天気な声が店の入り口から飛んできた。 「あれー?先生、どうしてここに?」 「え、鶴ちゃん、何で…。」 言葉を飲み込んで声のほうを見ると、目を丸くした嬉しそうな鶴ちゃんの姿が見える。 しかも、足取りも軽くこちらに近寄ってきたことで、どうやら本当に彼らの誤解は解いたようなのだが…もっと素晴らしい誤解が生じてしまった。 「えっと忘れ物をして…。ところで、もしかして元就さんと結婚するんですか!」 「断片聞きかじって飛躍しすぎ!」 彼女を心配してきたという本来の目的はばれないみたいだけれど、そっちの誤解は非常に不名誉です! こんな失礼な態度を取る人間と誤解された事に憤るが、そろそろそうやって感情を高ぶらせる事にも疲れてきた。 大体、彼女にはいくら言っても言い聞かせるということが難しいのだ。 それだけは担任しているからよく分かっている。 米神を強く押さえて、はぁとため息をついた。 「もういいよ、とりあえず遅いし鶴ちゃん送っていくから…。ちょっと待ってなさい。」 「えー、いいんですかー?ありがとうございますっ!」 もう逃げと取られてもいい。 これ以上ここに居たくない。 取締役と店員の顔を見ずに無言で立ち上がる。 さすがに手付かずのドーナツを残すのも勿体無いかと思い、抹茶のドーナツをナフキンで包んでいると、最初に喧嘩を売ってきた取締役から透明の容器を無言で差し出された。 監査ではないという誤解は解けたはずなのだが、彼からの謝罪は一切ない。 それに再びいらいらが再燃しかけるのを必死で抑えて、透明な容器を同じく無言で受け取った。 お礼は言わない。 大人気ないと思うけれど、ここだけはどうしても譲れん! もう教鞭をとっている人間の模範的行動とかそんなの関係なく、単なる意地だ。 ………こんな姿を生徒の前で絶対にさらせないね…。 鶴ちゃんにも帰りのタクシー代わりに口止めをしておかねば…。 鞄を持ち上げて、二人して出て行くと、傍にいなかった店員が「ありがとうございましたー」と明るい声で送り出してくれた。 ■□■□■□ 町の明かりが窓の外で通過していくのを横目に、ひとまず鶴ちゃんの家に向かう。 信号待ちで減速して、完全に止まったのを確認してから、彼女に話しかけた。 「ところで、さ…なんであそこで働こうと思ったの?」 店としては別に問題はない。 問題なのは経営者だけだ。 確かに、一アルバイトが経営者の性格なんてすぐにわかるものじゃないのはわかるけれど…。 触れることも少ないだろうから、特別視する必要はないかもしれないと思えば…まぁ、わからなくもない。 それでも第一印象が最悪すぎる。 人を疑うことしかしない経営者なんて、何か問題が起これば色々と責任を問われてしまえば反論するのが難しい立場だ。 折れない性格なのもすごく気になった。 逆に言えば、何を言われてもへこたれないすごいポジティブな鶴ちゃんじゃないと…勤まらないような気もする。 私みたいな人間は、初日に喧嘩別れしそうな予感がひしひしとして仕方がない。 「元就さん…じゃない、えっと、取締役と遠い親戚って言うのもあるんですけど…、」 ちょっと皮肉屋ですけどよい方なんですよーと嬉しそうに言う彼女の表情に嘘はない。 …そうなんだ…、身内には甘いタイプだろうかと思うが、あの手のタイプは身内にも厳しい気がしてならない。 そう確信していると、信号が青に変わる。 周りの車の流れにそって、アクセルを踏み込んだ。 「…それと、あそこに勤めたら元就さんと先生の仲を取り持つキューピッドになれるって、占いで出てたんです!きゃっ!」 「は!!!?」 思わずアクセルを全開で踏み込みそうになって、冷や汗をかく。 きゃーと嬉しそうに笑う彼女を横目で確認するも、内心はたまったものじゃない。 今、鶴ちゃんなんて言った? あんな人と? 人を疑うことしかしない人と? 本気で冗談じゃない! 「いや、それ余計なお世話だから…!」 「お二人の仲は素晴らしく相性がいいんですよ!これを逃すと先生、行き遅れちゃいますし!」 「は、ははは…それこそ…冗談じゃないわ…。」 車のハンドルを握り締めて、衝撃的な告白に事故を起こさない自分を褒めたかった。 そして、それからしばらくして、彼女の占いが今まで外れた事がないという事を聞いて、は握りこぶしを固めつつ改めて叫ぶ事になる。 「ドーナツなんて大嫌いっ!!!」 本日は ←back |